これほどに、ワインを作ろうという意識を感じなかったワインは初めての体験でした。
よく出来て本当に美味しい野菜を食べているようでした。
昨日、自然派ワインの大規模なテイスティングセミナー(ルネッサンス・デ・アペラシオン主催)に山信商事さんにお誘いいただき行ってきました。
自然派と言われる様々なワインを試しました。どれも素晴らしい味わいでしたが中でも新しい感動体験ができたのルロワのドーヴネ、ドメーヌ・ルロワのワイン
ドーヴネはムルソーの畑名のもの、ドメーヌ・ルロワはサヴィニー、ヴォーヌ・ロマネの畑名、クロドラロッシュを頂くことができましたが・・・
〜最近のワイナート誌においてルロワ女史は、土地を知るためには人間が繊細でなければいけない、ワインを飲むとは秘密を知ることだ、など土地に根ざしたコメントをされていました〜
農園のような香りに鼻腔が巻かれたあと、口に含むと・・・
どっしりした味わいながら、なんでしょう、
このふわふわのカシミアのような、ふくらんでいく舌と上あごの間にある触りごごち感・・
ああそうだ、土を食べているみたいで、
太陽の光を浴びて、すこししめった、でもあたたかく、
もこもこしている土。
かつて野菜畑にいったあの感覚が、
僕の中でもっとも近い感覚でした。
太陽エネルギーと土地のエネルギーを、ブドウが媒介しているだけのワイン。
土地のエネルギーを、ブドウによって昇華されることを手伝っただけのワイン。
これほどに、ワインを作ろうという意識を感じなかったワインは初めての体験でした。
数万円もするルロワ女史のワインたちからは、一切、数万円という高額からくるプレッシャーや生産者色を主張する要求は皆無で、
ただただ、自然。よく出来て本当に美味しいお野菜(自然の生産物)を食べているようでした。お野菜に例えては失礼な表現になってしまうかもしれませんが。
そのルロワ女史が来日されており、テイスティング会場にいらっしゃったので一つ質問をさせていただきました。
「土地を知るためにどのような努力をされていますか?」
(ほんとうは「土地を知るための感性を磨くためにどのような努力を毎日されていますか?」と聞きたかったのですが)
「(しばらく考えられてから・・)集中することです」と答えられました。
通訳交じりなので少し質問と回答に誤差があるかもしれません、でも、
シンプルですが心に響きます。